ありがとうカード
「ありがとうカード」というのは、社内で日頃の感謝を小さな手紙にして相手に渡すものです。(サンキューカード、サンクスカードと呼ばれる事もあるそうです)
「〇〇さん、作業を手伝ってくれてありがとう」
「〇〇さん、いつも掃除ありがとう」
など、日頃口に出すまでもないような感謝の言葉を一言程度にまとめて紙に書き、それを社内で回収して相手に届けます。
前の会社にいた時にこれが途中から導入され、私が辞めた後、今もこの習慣は続いているようです。
ありがとうカードを導入すると、社内の空気感が良くなると言われています。
前の会社も確か現場の重い空気感を解消するために導入を試みたのだったと思います。
今さらアナログに頼るのがダサい
「ありがとうカード」を導入するには用意しなければいけないものがあります。
まず任意で投函してもらう為にポストの設置が必要です。(こういった制度に強制力がかかると宗教っぽく感じます)
またありがとうカード専用の紙を用意したりも必要でしょう。

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書いたありがとうカードは単純に相手に届けられ、その時点で役目を終えます、その間に何かを集計しているわけではありません。
ありがとうカードに参加しても個人の成績には影響しませんし、もしも集計しようとしたら紙に書かれたものをデータ化する作業が発生してしまうからです。
紙を定期的に回収して、相手に届けるという作業もある意味「工数」つまりは人件費がかかりますよね、8時間労働のうちの幾分かはその作業に費やすのですから、まさか業務と関係ないからと言ってタダ働きさせたりしませんよね?
紙を費やすという意味でも紙のゴミを増やす事になります、これは地球に優しくないですよね、捨てずに記念に取っておくという人がどれだけいるでしょうか?
そういった諸経費が発生してでも導入するメリットがあると会社は判断したのでしょうが、私は
これから最新のテクノロジーに挑戦しようとしているITの会社が、今さらアナログに頼るのか?
と思うわけです。
付け焼き刃の対策でしかない
そもそもですが、「ありがとう」と言えばいいものをわざわざカードにする理由は、感謝を伝える時の「照れ」を隠したいからですが、
それよりもちゃんと相手に自分の口で
「ありがとう」
と言った方が印象は良くなります。
わざわざ隠れてやりとりをしなくても、誰かに感謝を伝えているという行為を他の人に見せた方が会社全体としても空気が良くなるはずです。
それでも口に出すのを避けたければ、今の時代「メール」や「チャット」などいくらでもツールが揃っています。
前の会社がこの制度を導入した理由は社内の重い空気をどうにかしようとしたからですが、そもそも
「どうして社内の空気が重いのか」
という原因を追及・解決しようとしていない事が間違いなのです。
どうしてこんな事になるのかというと、大抵の場合は現場を見ていない上の人間が思いつきで導入するからなのです。
どうせやるのなら、ちゃんと集計して後で
・ビッグデータの解析に使えるようにしておくとか、
・人工知能の研究開発に利用するとか、
そういった事まで考えて実行するのならば、IT企業っぽいと特に批判も起きないはずなんです。
「社内制度」というほどの事でもない
そんな「ありがとうカード」というシステムですが、前の会社は
「我が社は『ありがとうカード』を導入しています」
という事をアピールしています、
わざわざそんな事言わなくても良くないですか?
「ありがとうカード」を導入したという事は、逆算すれば
「ありがとうカードを導入する理由がある会社なんだ」
と勘ぐられてしまいます、それはマイナスのイメージではないでしょうか。
導入したければ勝手に導入すればいいだけの事で、わざわざ外向きに発信する必要はないはずです。
あらためて、時代遅れの考え方を持つ人上層部がいると、会社の見られ方も時代遅れになってしまうと思うものです。