ポテンシャル採用は危険
前の会社が最近転職サイトに新しく求人を出していましたが、読んでみると内容がなかなか酷かったです。
ポテンシャル採用枠(想定年収300~400万円)
・弊社はマインドを重視しています
・「自主性」「向上心」を重視しています
・顧客を喜ばせたい人
・好奇心旺盛でどんどん挑戦したい人
こういう精神論を並べている会社はブラック企業の可能性が高いです。
それはなんだかんだで理由をつけて、1時間でも多くタダ働きに持っていきたいからです。
私の過去の例でいうと、
・全社員投票でやると決まった事なのに、会社の予算が出ない。だから工数の付け先がない。
というのがありました。
「やる気がある人は給料上げなくても勝手にやってくれる」
「まずはやってみて、結果が出てからものを言え」
というのが常態化しているのです。
マイナスなイメージの事は伏せてある
あとは見込み残業が30時間ある事が求人要項のどこにも記載されていませんでした、この嘘はヒドイです。
おそらく最終面接までクリアした人に、最後に採用条件を提示する時に初めて
「見込み残業30時間あるけどいい?」
って開示するんでしょう。
採用してもらえるまであと一歩のところで、その条件を飲まなければ採用してもらえないという弱みに付け込む戦法です、卑怯ですね。
毎年新卒の何人かが「見込み残業30時間ある事を入社してから知った」って言ってました。
だからポテンシャル採用も同じなんでしょうね、ようは大事に育てるつもりはないんです。
そもそも東京の会社で年収300万円はキツイでしょう。
前述の年収を見込み残業30時間も含めて時給に計算すると以下のようになります。
300万円 ÷ 12ヶ月 ÷ (8時間 × 20日 + 30時間 × 残業係数1.25) = 1,265円
アルバイトと同じくらいじゃないでしょうか。
家賃補助もないのに、そんなの人が集まるわけもないですよね。
勤務地が「本社」になっていますけど、それも半分ウソですね。
今従業員は80~100人くらいだと思いますが、あのオフィスにはそんな人数入らないので、今も4割くらいの社員が客先に出向しています。
客先に出向すると客先のルールで働かなくてはならないので、9:00~18:00勤務とも限らないです。
面接の時に「本社勤務は100%か?」を確認しなくてはいけません。
あと笑ってしまったのは「エンジニア採用」のサムネイル写真に写っている女性がエンジニアじゃなかった事ですね、その女性は総務の人です。
「女性エンジニア活躍してますよ」ってアピールをするために嘘をついてしまったんですね。
女性がたくさん活躍出来る会社をアピールするためにも女性社員の採用は重要です。
しかし採用した後にいろんな嘘がバレてしまった方がダメージが大きい事に気付かないんですかね。
女性社員はなんだかんだで辞めていくものだから軽く見ているんでしょうか。
ポテンシャル採用をやるのは理由があるから
過去にポテンシャル採用をやって失敗しているのに、またポテンシャル採用をやるという事は、
採用のレベルを下げないと人が集まらない状況にある
という事です。
ベンチャー企業は少ない人数で大企業に負けないように戦っていかなければなりません。
そのためには新人なんか教育している暇はない、少数精鋭で突破していくしかないから、優秀な人材を高い給料で採用する、というのが本来の姿なのです。
それなのに採用のレベルを下げてでも求人を出すという事は、現在
・優秀な人が辞めていく
・優秀な人を採用出来ない
・安い労働力が欲しい
という状況にある会社だと判断出来ます。
キャリアチェンジしたい人にとって「ポテンシャル採用」というのは聞こえはいいですが、それはブラック企業という茨の道に進む可能性がある事に注意して欲しいです。
それにしても、今はネットで何でも拡散される時代です。
1. 嘘をついてでも求人を出す
2. 採用した後に嘘がバレて辞めてしまう
3. 辞めた人が口コミサイトに真実を書く
っていう悪循環になる事に気付かないんですかね。
嘘をついたら最後は大きなダメージで返ってくる事は吉本の闇営業の件で学んで欲しかったですね。