日本が「新卒一括採用」をしている理由
すごくいい記事を見つけました、日本が諸外国ではあまりやっていない「新卒一括採用」をしている理由が述べられていました。
日本電産永守会長が炎上! 「即戦力になる新卒」を求めることは、罪深いのか
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2008/04/news041.html
要所を抜粋すると
「新卒一括採用」という制度は、「即戦力にならない若者」を企業に受け入れさせて、日本の若年層を失業させないという「国策」
さかのぼること明治時代「富国強兵」という国策を進めるなかで、人口も右肩上がりで増えていく日本が当時、ドイツなどのシステムをまねた
その後他国は時代に合わないと続々とやめていったが、日本だけはこのシステムが残った。
学校を出た若者を自動的かつ効率的に労働現場へ送り込むこのシステムは、人口増の日本では非常にうまく機能した
というのがルーツだそうです。その結果、
「会社はスキルのない若者を受け入れて、手取り足取り育てなくてはいけない」
という風潮になったのですが、その代わりにとにかくスケジュール通りに会社に入ることが重要で、入社してからぞうきん掛けをしたり、研修をしたり、怖い上司にシゴかれたりして一人前に育てばいいという考え方が浸透しているのです。
そんなに根深い歴史があるのですから、ブラック企業がなくならないわけですね。
時代遅れの制度
しかし少子高齢化社会を迎え、「人口増」という前提がなくなった今でも「新卒一括採用」を続けている事が今の日本の問題だという指摘がされています。
日本経済も右肩あがりでなくなるので、企業も成長しない。
国際競争力も落ちているので、低賃金・高サービスの原動力だった終身雇用システムも音を立てて崩れていく。
計画的に退職させられないので、計画的な入社も難しい。
これから日本の人口は減っていくのですから、優秀な若者の争奪戦になります。
だから企業が「即戦力になる新卒」を求めるのも当然の流れですよね。
そのために内定者を入社するまでの間に教育する「内定者研修」をする企業があったりします。
私の弟は企業に内定をもらってから、その企業に大学の授業料を補助してもらっていました、これも優秀な学生を早くから囲い込むための作戦なのでしょう。
最近のトヨタのCMのように、「即戦力になる若者」を生み出すべく、学校教育・街づくりから参入する企業も出てきました。
「新卒一括採用」はもうダメだと思って動き出している人達がいる、こういった現実を受け入れるべきなのです。
批判はただの甘え
「入社後に社員を育成するのが企業の本来の姿である」
という考えは、
「学生の間は学生を謳歌したい」
という学生側のただの甘えでしかありません。例えば
「企業の内定者研修があるので授業に出られない」
事が問題だと言いますが、そもそも就職するために学校で学んでいるのだから、採用してくれる企業からの呼び出しよりも学業を優先することがおかしいのです。
大学卒業という肩書よりも就職という実績の方が大事です。
私が失業中に通っていた職業訓練校では授業よりも企業への面接が優先されました。
目的と手段を履き違えてはいけません。例えば
「テストでいい点を取る事」
「いい学校に入る事」
を目的に教育された人は、就職する時に考えが自立していない事があります。それは
「テストでいい点を取る事」
「いい大学に入る事」
というゴールに到達してしまったら、そもそもの
「何のために勉強するのか」
「何のために学校に行くのか」
という目的を見失っているからです。
「まずは学校に入ってみて、やりたい事はそれから考えればいい」
なんて悠長なことを言っていると手遅れです。
入学当初から目的を持って学習している生徒との差は広がり、優秀な学生を早くから囲い込みたい企業のリストアップには入れないでしょう。
むしろ目的がはっきりしていれば、学校という手段に囚われる事なく自発的に勉強・経験して「即戦力になる若者」になろうとするはずです。