お金があるのなら
2社目の時、リーマンショックの不況が来るまでの間は会社の業績も好調で、賞与も1年で月給の最大4.5倍くらい出た事もありました。
初めての転職で、中途で入社したタイミングが良かった事で、すぐに社員旅行に連れていってもらえたりしました。
1年に1回大きなホテルの大きな会場を借りて「経営発表会」という名目のパーティーが開催されたりもしました。
ただ、この頃まだ20代前半で給料が低めの私はこう思っていました。
「パーティーとかするくらいなら、その分みんなの給料をアップして欲しい…」
社員旅行も、豪華なパーティーの開催も会社の経費が費やされていますが、それはもともとは社員全員で稼いだお金です。
社員旅行は家族の同伴も会社が費用を負担するなど、太っ腹でした。
2次会も社長のポケットマネーではなく会社の経費でした。
パーティーでは贅沢な食事もあり、楽器隊やダンサーを呼んだりしていました。
もしそういった行事を行わずに、その分を社員の給料に回してくれたら、たった千円でも月給がアップしたかもしれないと思ってしまうのです。
普段出来ない事を体験させてくれる
しかし会社のお金で社員旅行や豪華なパーティーを開く事そのものを「悪」だと言っているわけではありません。
個人ではなかなか出来ない事も会社という大きな力を使う事で可能になるものがあります。
例えば大きなホテルの大きな会場を借りるのは個人では難しいでしょう。
普通に生活しているだけでは体験出来ない事が体験出来る、それを普段がんばって働いてくれる社員に対するねぎらいにするのはとても良い事だとも思います。それでも
「そのお金が給料に回ってくればいいのに」
と思ってしまうのです。
せめて損をしないように
しかし個人が
「私は社員旅行に行きませんから、その分給料をアップしてください」
と会社に言うのは無理がある話です。
会社全体の決定に対して、個人の要望で決定を覆したり、例外を作るわけにはいきませんから。
ですから全社員に対して会社の経費で行われる行事には出るようにしましょう。
そこに使われる経費の一部は自分が稼いだお金なのですから、つまり参加しないと自分だけが損をした事になります。
どうしても参加したくない場合を除けば、物事を損得で考え、そして損をしない方を選択しましょう。
余談:リーマンショック
この後リーマンショックの大不況にあって会社は業績が悪化しました。
社員旅行もパーティーもなくなり、贅沢を体験する事が出来なくなりました。
上場する予定も一旦なくなり、会社の持ち株制度(ストックオプション)も期待出来なくなりました。
そして給料こそ減らされないものの、夏冬の賞与の支給額はほぼ0になりました。
そして私はこの会社を去りました。