実際にはないモノを売る
これは今の会社でも前の会社でもあった出来事で、どうしてそんな事がまかり通ると思ったのかという事案です。
実際には売るモノはありません、完成していません。それでも
「私達はこういうものを売っています」
と言い、そしてそれの契約が取れたら、そのお金を使って売るモノを作ろうというのです。
ある種のマネーロンダリングではないでしょうか?
契約なんて取れるわけがない
しかし実際にそんな営業のやり方で契約が取れるわけがありません。
お客様の立場になってみれば、それに興味を持てば
「そんなものがあるのなら、実際に見せてください。」
と言いたくなるはずです。
しかし実際に見せれるものがないので、購入してもらうための説得力に繋がらないのです。
こうして実際に売るモノがないのに売ろうとして売れないという無駄な営業工数が消費されていくのです。
人は情報の7〜8割は視覚から得ると言われたりします。
つまりサンプルでもいいから相手に見せるという事が本当に大事なのです。
いくら言葉で説得しても、それでは相手に響きません。
契約が取れても地獄
仮にこの手法で契約が取れても、その状況を喜ぶ事は出来ません。
契約が取れてしまったら、相手はそれがもうあるモノだと思っていますから、急いでそれを作り上げなければいけません。
嘘を誠に変えるための作業が始まるのです。
嘘をついたところで、結局得する事はありません、全部マイナスになって自分に返ってきます。
そんな事になるくらいだったら、とっとと売るものを借金してでも早々に作り上げる方がマシです。
理想と現実
この問題は
「自分達はこういうモノを売る会社になりたいんだ」
という理想だけが先行し、しかしそれに実態が伴ってないという現実のギャップにあります。
それを生み出すために必要な時間と人とお金を捻出する努力を怠っているのに理想を語り、
その理想に乗ってくれたお客様がいてくれたら乗っかるという方針を取っているから契約を取る事が出来ず、
だからそこにかけた営業工数が根こそぎ無駄になるというオチなのです。
早くPRしておかなければ、ライバルに先を越されてしまうという焦りもあるのでしょう。
しかし焦ったところで、相手を説得させる材料がない事は事実です。
理想論だけで物事を進める事はやめましょう。