社員への精神誘導
前の会社はとにかく社員への精神誘導が酷かったので、
昔から少しでも宗教的な要素があると気持ち悪く感じる私にとっては苦痛でしかありませんでした。
私は中途採用だから物事を客観的に見る事が出来たので、そんな精神誘導に引っかかる事はありませんでしたが、
社会人1年目の新卒が毎日の朝礼でそれを聞かされているのはまさに洗脳教育そのもので、本当にかわいそうだと思っていました。
今でもかろうじて覚えているのは、取締役の1人が
「自分は家でテレビを見ない、そんな事に時間を費やさずに、ずっとビジネスの事を考えている」
「娯楽の時間をなくせばもっと(仕事出来る)時間が出来る」
みたいな内容を自慢げに言った事です。
今の時代「オンとオフの切り替え」という言葉がありますが、この会社は完全に社員のオフの時間の使い方までに言及してくるのです。
だったらもっとストイックにやってみせろ
しかしこの取締役は毎日片道2時間もかけて通勤しているのです、毎日移動だけで4時間、
その時間ムダじゃないですか?
時間のムダをなくせというなら会社の近くに住めば解決する事です、土日だけ実家に帰ればいい。
私は1社目の時、その時住んでいた自宅から現場まで通勤に2時間以上かかるという理由だけで転勤させられました。
通勤距離が長くなれば、会社負担の交通費も高くなるし、時間の多くも無駄になるという事は誰にだって分かる事です。
会社の経営に関わるポジションに就きながら、それでもそういった事に気がつかないという事は結局口先だけだったという事なんです。
社員を率いたいのなら、言葉に説得力を持たせる事、つまりは誰よりもストイックにそれをやってみせろという事に尽きます。
コードギアスのチェスの場面でもありましたよね、「王が動かないと部下は付いてこないだろう?」というセリフ。
すべてを犠牲にする覚悟のない奴が、他人に犠牲を強いるという事がそもそも大間違いなのです。
大事なのは結果を出す事
大事なのは自分を犠牲にする事ではありません、結果を出す事です。
結果を出すために時に犠牲が必要かどうかであって、結果が出せれば何の犠牲も出さなくて良いです。
むしろ何の犠牲も出さずに結果を出せる方が優秀な会社員だと言えるでしょう。
例えばまったく新しい事に挑戦するのであれば、それは早く結果を出せるようになるために努力すべきです。
しかし今すぐ結果を出すために無理をしろと指示するのは間違いで、結果が出るまでにどれくらいかかるかを見積もる事が本当のマネジメントであり、それが出来ない上司や経営者は無能なのです。
「物理的に無理な事を精神力でカバーしろ」と言う会社のもとで働いてはいけません。
そんな事を言ってる時点でその会社はマネジメント能力がないので、何かトラブルが起きた時に何も出来ない、責任も取れないという事が予想出来ます。
その他に余程のメリットを感じる事がないのであれば、そんな会社はすぐに辞めて他の会社に行くべきです。
長くいればいる程洗脳が深くなり、いずれ自分も部下に対して同じような事をする上司になってしまうでしょう。
自分がパワハラで訴えられる未来を想像してみてください、そんな事で自分の人生がつまづいてしまっていいのかを。
「自分がされて嫌な事は相手にもしない事」
それは子供の頃に教わった事です。
補足
ちなみに私が毎日気持ち悪いと感じながらもその会社に居続けたのは、それさえ我慢していれば「魅力的な制度」があったからです。
しかしある時、会社の組織変更でその「魅力的な制度」そのものがなくなってしまったため、入社した目的そのものを失った私は我慢する必要がなくなったので辞めたのでした。
組織変更後、私が辞めるまでの間に30人以上が辞めていきました。
私と同じようにその「魅力的な制度」が目的で入社して、それ以外の苦痛は我慢していた人がたくさんいたという事だったのでしょうね。