一人暮らしで貯金なんて出来るわけがない
私は新卒の時、初任給が17.5万円だったので、手取りにすると13万円くらいでした。
実家暮らしならそれでも問題ないでしょうが、上京してきての一人暮らしはなかなか厳しいものがありました。
なぜならここから更に家賃・光熱費・通信費が差し引かれて、手元に残るのはほんの数万円ぽっちだからです。
食事を毎食コンビニで購入してしまうとかなりの金額になるので、いかに食費を抑えるかがポイントでした。
食費を抑える最も良い手段は「自炊」です。
しかしこの頃は都会の水が汚いからなのか、住んでいるアパートの問題だったのか、水道水が不味くて飲めなかった事から自炊も諦めなければならず、食事をどうするべきかが社会人1年目の大きな壁でした。
デフレスパイラルの時代
今でこそ物価は上がりましたが、当時はデフレの絶頂期でもありました。
デフレとは簡単にまとめると、物を買ってもらうためにライバルと値下げ合戦を繰り返した結果、みんなの値段が下がってしまう現象で、それが止まらない事をデフレスパイラルと呼んでいました。
物が安く買えるデフレの何が悪いかというと、買う方にとっては得ですが、売ってる方はどれだけ売っても利益が出ないため、頑張って仕事しても全然給料が上がらないという事に繋がるのです。
私の1年目の昇給がたった1,700円だった事も、もしかしたらデフレの影響があったのかもしれません。
ハンバーガー59円!
そんな物価の下落に歯止めのかからない時代に日本マクドナルドも飲み込まれました。
ハンバーガーの値段をそれまでの最安値の80円を下回る59円に設定したのです。(2002年)
ハンバーガーの原価とはいったいいくらだったのでしょうか?
今の時代にハンバーガーの値段が59円だったら、ユーチューバーが「ハンバーガー1,000個買ってみた」なんて動画を平気で作ってしまうのでしょうね。
しかしこの値下げ策でもマクドナルドに客足が戻る事はなく、59円の時代は長くは続きませんでした。
それでも社会人1年目の私にとってはとてもありがたかった事でした。
ハンバーガーを5個買っても当時の消費税5%で税込310円です、ハンバーガーを5個も食べればお腹は膨れました。
当時は何でも税抜き価格で表示されていたので、税込みで1円単位まで計算してから小銭を握りしめてマクドナルドに買いに行った事を思い出します。
59円ハンバーガー以外の食費節約例
りんご:1個あたり約100円で手に入り、1個でもなんとか腹持ちしました。
焼きそば(3食入り):200円以下で手に入る3食入りのソース焼きそばを2食ずつ消化して、人参やキャベツのみのトッピングで調理していました。
結局は残業の多い環境へ
しかしその後、私の生活にも変化が訪れました。
毎月の残業が40時間以上発生する現場に転勤させられ、その毎月数万円の残業代をもらう事でようやっと生活出来るレベルになりました。
生活が出来ないから、と残業が多い環境を私が望んだわけではありません、
能力が未熟で、しかし年齢が若くて体力がある新卒レベルでは結局「労働力」が求められる現場に連れていかれるのです。
しかしこの頃には残業すればするほど儲かる時代は終わっており、残業すればするほど残業代はもらえるが、その分昇給は望めないという時代に突入しました。だから
「今のままの状況が永遠に続けばいいけど、急に残業ゼロの環境になったら生活が出来ない」
と危機感を抱いたのが、私の最初の転職へのきっかけでした。
5年後、10年後に今の職場に居続けたら自分自身はどうなるかを想像する事が大事です。
辞めない方がいいのか、辞めた方がいいのか、
どうにかなるのか、どうしようもないのか、
総合的に判断して転職した方がいいと思うなら、迷わず転職をしましょう。
私は転職をした後「転職して良かった!」と思いました。