テレワークの課題
コロナウイルスの影響もあり、テレワークを導入する企業はこれからも増えるでしょう。
しかしテレワークになると、ちゃんと勤務しているかを監視出来ないという課題があります。
特に出社時間や退社時間は、タイムカードの様な物理的に証明出来るものがありません。
朝一番に朝礼がある会社であれば、朝礼に間に合わなければ遅刻と判断出来るかもしれませんが、退勤時間は早退も残業も証明する術がありません。
これからのテレワーク時代は、どれだけの時間を働いたかは自己申告が多くなってくるのです。
テレワークを早期に導入している企業であれば、テレワーク中に社員がちゃんと働いているかどうかを見極めるコツを掴めてくると思いますが、紙のタイムカードの文化から、初めてテレワークを試みた会社は最初は苦労すると思います。
私の前の会社では、「テレワーク中はPCのビデオ会議を繋ぎっぱなしにしておけ」と言って導入を試みましたが、
そのテレワークをしてみた社員は「ずっと監視されている感がストレスだ」と言って会社を辞めてしまいました。
やはり監視するというところがポイントになるようです。
ではどうして監視するという事になるのかというと、結局のところ社員が忙しいかどうかを測る術が残業時間しかないからです。
残業時間が多い人は忙しい、
残業時間が少ない人は忙しくない、
という判断のもと、どの仕事に誰を配置しようかと考えます。
しかしダラダラ仕事をした結果、残業が増えたのかもしれません。
だからテレワークという働き方に移行する時に、ちゃんと働いているかをどうやって監視しようかという議論になるのです。
逆の考え方で、サービス残業し放題という事もあります。
36協定などで残業時間の規制が強まる中、退社時刻を監視する術がない事を利用して、退社時間を偽り、時間外で働き続ける事が出来ます。
しかし例えば業務時間外に勝手に会社のシステムにアクセスするなどしてトラブルを発生させてしまうと、「監査はどうなってるんだ?」という問題にも発展するので、事前の申告なしに時間外残業される事も良くはないのです。
だからテレワークに移行する時に「就業時間を正しく申告してください」と言われます。
しかしいくら言葉でそれを言ったところで、嘘を付ける環境であれば自分の都合のいい様に嘘を付いてしまうものなので、その言葉はまったく意味をなしません。
成果主義に変えていくべき
テレワークにおいて勤怠を正しく管理する事は出来ません、
だからといってテレワークが推進されない事も良くありません。
解決の方法は企業が仕事の考え方を時間主義から成果主義に変えていく事です。
1日8時間きっちり働く事よりも、
4時間で仕事を終えたのならあとは遊んでいてもいいし、
8時間超えても働きたければ働かせればいい、
そうやって一定の期間内にどれだけの成果を出したのかで評価する方向に変えていくべきです。
もちろんチームで働く仕事であれば、出勤・退勤時間を他のメンバーと合わせる事も必要になってくるでしょうから、そこは臨機応変に対応すればいいのです。
個人でも、チームでも働く事が出来る人を評価するという考え方に変えれば、36協定や、有給消化率なんて気にしなくていい社会になるはずです。
仕事=時間という考え方から今こそ脱却する時なのです。
口先だけの「正しく申告してください」はもういりません。