私が以前所属した会社で、上場しようとして、失敗した事がありました。
そんな昔話をしようと思います。
業績は順調だった
その会社は私が中途入社で入った時にはすでに業績が絶好調だったと思います。
私が所属になったのはミドルウェアの受託開発の部署でしたが、
どの部門で業績が良かったのかは知りませんでしたが、
・毎年ホテルでパーティーをしたり、
・毎年社員旅行があったり、
・なにより夏冬の賞与が基本給の2.2ヶ月分も出る事だってありました。
それこそバブルが弾ける前は、新卒にボーナスが100万円出た事もあったそうです。
当時の部長が自慢げに言ってました。
次のステップは上場
そして私が入社した後に、会社は上場を考え始めるのですが、
全社員への説明で、今でも鮮明に覚えているのは「比例のグラフ」です。
今の仕事を、社員数を増やして仕事の数を増やせば、業績も比例して上がるだろうという考えです。
それを有言実行しようと会社はまず、ビルを1階フロア丸々借りていたのを、3階丸々借りることにしました。
さらに人件費のコストカット策として、安い東南アジア系のエンジニアの採用も始めました。
既存の社員に対しても、社員持株制度(ストックオプション)の導入を開始し、
着々と上場に向けて進み始めたのです。
やってきた大不況の波
しかしここでリーマンショックの波がやってきました。
リーマンショックが何だったのか知らない人はググってください。
簡単に言うとそれの余波を受けて、全世界的な大不況になったのです。
「仕事をください」と言っても仕事をもらえない大不況が続きました。
投資も裏目に
会社の拡大も裏目に出ます。
雇った東南アジア系のエンジニアも日本語が上達せず、現場でまだ使えないレベルで育ってないけど給料が発生しています。
拡大したオフィスに人がたくさん入るまで仕事と社員が比例して増える事はありませんでしたが、家賃が発生しています。
夏の賞与は出るだけマシというレベルの基本給の0.2ヶ月分が支給されました。ゼロでもおかしくなかったのです。
上場失敗で身をもって学んだ事
この時に私は
「仕事をください」
というビジネスではなく
「仕事を生み出せる仕事」
をしなければいけないという事を身をもって体感しました。
この時にボーナスありきで人生設計すると痛い目に合うと言う事を覚え、
年俸制の会社を探すようになりました。
そしてその環境を目指して転職活動を始めるのですが、
見事に失敗して無職になってしまいます。
その話はまた今度にしましょう。
会社のその後
私が辞めてから10年近く経ちますが、
結局その会社は上場出来たのかというと・・・、
結構最近上場したみたいです、想像以上にかなりかかりましたね。
1つ前の会社でも長年にわたって「上場する詐欺」が行われていましたが、
会社を安定させ、成長させ続けるというのは、それだけ難しいという事なのでしょう。