学歴フィルター
最近は就職・転職サイトの「学歴フィルター」が話題になっています。
就職・転職サイト大手のマイナビが「〈第1〉大東亜以下」というタイトルのメールを間違って大学生に送ったことで発覚した件ですね。
大学に入って何を学び、社会に出るためにどんな能力を身に付けたのかが大事なのに、
その大学に入ったという学歴だけで、ある程度の未来が決められてしまうのはかわいそうですね。
しかし例えば、一流大学に入学出来たのはいいけど、人生最後の受験を終えた燃え尽き症候群で、その後やる気をなくしてしまう人もいます。
逆に、三流、四流の大学でも、しっかりと勉学に励み、就職に有利な資格を取得する人もいるでしょう。
私は個人的には大学で4年間遊んできた人よりも、専門学校で半年間みっちり修行してきた人の方が信頼出来ます。
しかし学業の間に就職に役立つ資格を取得していない人が、就職活動で
「自分は戦力になります」
ということをアピールする事は難しいです。
履歴書に何を書いても、面接で何を言っても、それが真実だという裏付けをする事が出来ないからです。
採用担当は限られた募集枠をたくさんの応募の中から有能な人材だけを見定めて採用する必要がありますが、
いったいどれだけの応募が来るかわかりませんし、採用担当の時間も無限ではありません。
なので採用担当の負担を軽減するために、ある程度の「フィルター」がある事も仕方ない事なのかもしれません。
社会に出てからは職務経歴
社会に出た後に転職活動をしようとすると、履歴書の他にもう1つ職務経歴書を書く事になります。
社会に出てからどんな仕事につき、何を経験したのかという事を書く事によって、
今度は学歴よりにも職歴で採用が判断されるようになります。
三流、四流の大学卒でも、専門学校卒でも関係ありません。
社会に出てから何を学び、何が出来る人なのかという事を見られます。
その職歴がいわゆる書類審査になり、書類審査を通過した後が面接に進めるわけです。
「面接確約」求人
しかし世に溢れている転職サイトには、タイトルに「面接確約」というものがついた求人がたくさんあります。
これはつまり書類審査しません、または面接の後に書類審査します。という事になります。
これはどういう事かというと、文字に起こされた学歴や職歴よりも、まずは直接会って人柄を見たいという事です。
能力不足の人でも、素養がありそうだと感じた人を採用する事を「ポテンシャル採用」といいます。
大学や専門学校でいうところの「AO入試」「AO入学」と一緒です。
学歴だけがすべてじゃないって考え方ですね。
ポテンシャル採用の実態
しかし、いくら面接で十分に話し合ったとはいえ、ポテンシャルなんてどれだけの人が見極められるでしょうか。
例えば、私が以前働いていた会社では
「能力は後からでも身に付く。まずは経営理念に共感してもらう事が大事だ。」
という考え方で採用していました。
しかし「この人はポテンシャルがありそうだ」と言って採用したのに、
結果、才能を開花させる事なく辞めていくという例はたくさんありました。
結局、ポテンシャル採用の実態は、優秀な人が採用に応募して来ないから、採用のレベルを落として、まずは採用してから育成するんだという考え方なのです。
しかしこれは結果的に自分自身に負担をかける事になります。
能力の低い人は、結果を出すまで低い給料で働かされるし、
会社としても新人を育成するという手間と時間がかかります。
しかも採用担当が見定めたポテンシャルが、現場に入って発揮されるかは未知数です。
結局、能力に見合ってない人を採用する事は、お互いを不幸にするのです。
証明出来る事が大事
この問題を解決するには、採用したい人の能力を可視化出来る事が重要なのです。
例えばpaizaという転職サイトではプログラミングのテストを受けることが出来、その結果によって求職者がランク分けされるので、採用する側は今の能力が何ランク以上の人が欲しいかを絞り込む事が出来ます。
また最近の新しい転職サイトでは
「あなたのプライベートでの成果物があればそれを見せてください」
というものが多いです。
これを利用すれば、学歴も職歴も関係ありません。
独学で身につけた能力も採用基準になります。
学歴よりも、職歴よりも、今どんな能力を持っているかを証明出来れば、お互いに納得のいく就職活動に結びつくでしょう。