追納
先日「国民年金保険料追納のご案内」というのが郵便で送られて来ました。
追納という聞き慣れない言葉。
どうやら「国民健康保険納付を免除された事がある方は後から納める事が出来ますよ」という案内通知でした。
確かに私は約10年前に失業して、その時に年金保険料を収める能力がなく、地方自治体に申請を出して6ヶ月間で合計10万円程度の納付を免除してもらいました。
国民年金保険料の免除制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
それが社会復帰して数年後の今になって「今納める事が出来るのなら、納める制度がありますよ」という通知が来るのはどういう事なのでしょう?
今の私の納税状況を見て、今なら過去の免除した分の納付する事が出来るだろうと判断されたからでしょうか?
強制や催促ではない
通知にはこのように書いてあります。
「このお知らせは催告状ではありませんので、追納をご希望の方は申込みをしてください」
免除はあくまで免除であり、借金や未納という形で催促や強制取立を言ってきているわけではないという事です。
「免除はしてあげたけど、もし今支払えるのなら支払ってください」
という事であれば、みんな
「免除してくれたじゃないか、だから支払わない!」
ほぼ100%そう答えるから、この通知自体は無意味になります。
「もし今支払えるのなら支払う制度がありますよ」
という通知には別の意味があるのです。
減った年金額をもとに戻す事が出来る
実は年金の支払いを免除してもらっていた期間があると、老後にもらえる年金額が減らされているのです、よく考えればそれはそうですよね、ちゃんと納めている人と納めていない人が平等な扱いを受けるわけがありません。
その未納分を全額払えばもとの予定通りの満額を受け取る事が出来るようになりますよ、という事だったのです。
国民年金保険料の追納制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html
失業して収入がない時に、老後受け取れる年金額の心配をしても仕方ないですよね、今生きるか死ぬかの選択が迫れているのですから。
年金の免除、医療費の免除、交通費の免除、家賃補助、etc…
1円でも支出を抑える方法があるのなら、それにすがるのに必死になります。
だからその時は老後もらえる年金が減ることなんて頭の片隅にもありません。
ですから、ちゃんと社会復帰出来て落ち着いた頃にこの通知が来るのは、ある意味ありがたい事かもしれません。
国民年金保険の現状
それにしても
「あなたは年金の納付を免除した事があるんだから、もらえる金額は予定よりも低いですよ」
のままにしておけば、私が老後になった時に保険料の支出額が減って国としてはお得なはずなのに、どうしてわざわざ
「追納出来ますよ」
と親切に通知してきたのでしょう?
それはやはり少子高齢化の影響ではないでしょうか。
「100年安心」と謳われてきた年金制度も、すでに収入よりも支出の方が大きく、制度の破綻に向けて逼迫した状況にあるのではないでしょうか。
国民の義務と言えど、「私達が老後になった頃には、どうせ戻ってこない」と納付を拒む若者も多いです。
だから免除した人にもわざわざ
「減った年金額をもとに戻せますよ」
という連絡をする事で、その言葉を釣り餌に、少しでも今現在の年金収入を増やそうとしているのではないかという状況がうかがい知れます。