会社の代表が現役エンジニア
エンジニアが転職活動をしていると求人にこんな内容があったりします。
「代表も現役のエンジニアなので、エンジニアに理解があります」
会社の代表が会社を経営しつつ、なんらかの製作作業も行っているというものです。
社長はまず会社全体を動かさなくてはいけません。
社員の給料や福利厚生、会社の家賃や税金、さらには営業活動も行わなければいけないので、やることはたくさんあります。
しかしそのうえでさらに製作の作業もやるというのです。
こんな畑違いの作業を並列でこなすというのは本当にすごい事ですよね。
そんな人のもとに採用されたら、エンジニアとしては楽なところがあります。
企業というのは組織が大きくなるほど、上の役職の人は下の現場の事を見ていません。
しかし組織のトップの人が現場で作業もしているとなれば、社長と一般社員の距離が縮まって親近感が湧き、いろんな事を相談しやすくなります。
問題点
しかし1つ問題があります。
作業をしていると、作業に没頭してしまって、他の事が手につかなくなるという事があります。
今の会社でそれは起きました。
大量のユーザーを抱えるサービスでシステム障害を発生させてしまい、社長自らがその対応につきっきりになりました。
この時、社長から発せられた言葉が
「よほどの事がない限り、話しかけるな」
こうして他の社員は放置で、社長は自室にこもって作業するという事になったのです。
これは明らかにリスクマネジメントの失敗です。
何かトラブルがあった場合に対応出来るメンバーを複数人アサインしていなかった事、
社長しか分からない、出来ない、という事を発生させてしまった事が問題なのです。
二足の草鞋を保つには
社長というのはまず会社の旗振りを第一に優先させなければならず、決して作業に没頭するという状況にしてはいけません。
それはなぜかというと、同時期に他にトラブルが発生したら誰がどう対応するんだという問題があるからです。
「生涯現役のエンジニアでいたい」
という気持ちは分かりますが、すべてはバランスです。バランスを壊す事をしてはいけません。
逆にバランスさえ保つことが出来れば、社長自らが作業者になっても大丈夫でしょう。