1.「忙しくてもやれ」2.「残業するな」3.「サービス残業するな」
ホワイト企業だと思って入った会社が、どんどんブラック企業化していきます。
先日とうとう、ブラック企業の教科書があるとしたら1ページ目に出てくるような
1.「忙しくてもやれ」
2.「残業するな」
3.「サービス残業するな」
の三拍子が揃いました。
これはどういう事なのか1つずつ解説します。
1.「忙しくてもやれ」
会社でいつまでにやると決めた事は、ちゃんとその期日までにやれという事ですが、例えそれがどんなにお客様の対応で忙しくてもやれという事です。
時代は物凄いスピードで駆け抜けていきます、つまり時間が過ぎるという事はチャンスを失うという事でもあります。
チャンスを掴み切れなければ、ライバルに追い抜かれ、顧客を奪われ、自分達が始めた頃にはすでに手遅れとなります。
そうならないためにも、「忙しい」を理由に後回しにせず、決めた日までにやり切る事が大事だという事です。
いくらでも残業していいのなら間に合わせる事は出来るのですが、しかし次の「残業するな」があるのです。
2.「残業するな」
正確には残業してはいけないわけではありません。
特に緊急時には、時間外残業時間の上限の目安が示された36協定を無視してでも対応に当たらなければならない事だってあります。
今回の場合は「ダラダラと残業するな」という意味ではなく、
「売上の立たない社内プロジェクトに残業を付けるな」
という事です。
お客様の付いているプロジェクトは「納期に間に合わせなければならない」という明確な理由があるため、多少のマイナス計上が出ても残業は許可されます。
しかしお客様の付いていない業務で残業を付けると、会社に入ってくるお金はないのに、残業代の支払いが増えるので、単純にその分会社が赤字になります。
ですから残業をしないためには「期日を延ばす」という選択をするしかないのです。
しかしいつまでも期日を先延ばしにしてきた結果、やりたい事が出来ていない、進んでいない、だから「忙しくてもやれ」と言われるのです。
3.「サービス残業するな」
会社に損失を作らず、尚且つ間に合わせるためには、結局サービス残業をするしかないのです。
しかしあくまでも会社は周りに対してクリーンなイメージを保ちたいため
「我が社はサービス残業を禁止しています」
と宣言するのです。
無断でバレないように残業する事がサービス残業ですが、「サービス残業するな、でも間に合わせろ」と言われたら、最後に行き着く先は
「サービス残業をバレないようにやれ」
という事になってしまいます。
言い回しが違うだけで、結局中身はブラック企業そのものです。
解決方法は
一応、
1.「忙しくてもやれ」
2.「残業するな」
3.「サービス残業するな」
を合法的になんとか満たす方法はあります。それは
社内プロジェクトを日中にやって、お客様対応をすべて残業で対応する
という方法です。しかしそんな事は常識的に許されるわけがありません。
解決する方法は「人を増やす」以外にありません。
それも出来ずに今いるだけの社員で、
1.「忙しくてもやれ」
2.「残業するな」
3.「サービス残業するな」
という命令を下すのは結局ブラック企業でしかないのです。