広告代理店はあくまで「代理店」
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中小企業などを支援する持続化給付金事業をめぐり、支給事務の委託や外注が繰り返され、「再々々々委託」まで広がっているという事が話題になっていますが、
そもそも電通とか博報堂とか、そういった広告代理店企業に仕事を依頼した時点で再委託はほぼ確実です、だって「代理店」なんですもの。
代理店は自分達の力で何かをするという会社ではありません。
その幅広い人脈を生かして、効率よく仕事してくれるパートナーに依頼するだけ、他人を利用して儲ける事を前提にした会社です。
私も何度も広告店絡みの案件を経験しましたが、2次請け、3次請けは当たり前のように発生します。
私が今まで経験してきた中では最大5次請けで、最後が中国のオフショアなんて事もありました。
あくまで間のマージンだけで儲けを出すので、つまり仕事そのものをしない分、たくさんの案件を回さなければいけません。
広告代理店が存在する理由
そんなマージンを中抜きするだけの卑怯な会社がどうしてこんなにもたくさんいるのかというと、仕事を依頼したい会社も、仕事が欲しい会社も、結局は情報をたくさん持っているからそこに集まるのです。
あとは手数料をもらって会社と会社を繋ぎ合せるハブの役割をする訳ですが、
ここでいやらしいのは、会社と会社を引き合わせて紹介料をもらうという形ではなく、
あくまで自分の会社として仕事を請けて、それを他の会社に依頼している事を隠している事です。
だから何かあった時には伝言ゲーム状態になり、スピードが出ないという問題があります。
メリットとデメリットの両方ある事を意識する事
「ビジネスとは人・物・金を動かす事だ」
という言葉があり、それはまさに広告代理店の事を言っているようなものです。
今回の持続化給付金事業についても、まずは「誰に依頼すればいいのか分からない」から幅広い人脈を持っている広告代理店に頼ったというだけの話でしょう。
「誰に依頼すればいいのか分からない」が解決していればそれで良いですが、そうでなければそれを知っているところに頼むしかありません。
それは一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」がただ無能だった、最初に依頼したのがそんな無能なところだったという事でしょうが、政府の仕事を最初に受けるのが一般社団法人だなんてルールがあったとすれば、いずれにせよこの構図は避けられなかったでしょう。
あとは広告代理店には
・どんな事でもすぐに相談にのってくれるというメリット
・結局は再委託になってスピードが出ない、管理しきれないというデメリット
がある事を認識しておく必要があります。