広告代理店とは
広告代理店とは、企画提案の部分の仕事をやってくれるだけで、あくまで代理店です。
実際のもの作りを自分達で行うわけではありません、どこかの企業に依頼して、出来上がってきたものをクライアントに納品します。
これはまるで日本という国の縮図のようです。
日本の経済はもの作りによって支えられていますが、小さな島国ですから資源つまりは材料がありません。
だから材料を海外から輸入して、出来上がった製品を海外に輸出するのです。
代理店もこれと同じではありませんか。
作るべきものを自分達で作れないから、どこか別の企業に依頼して、出来上がってきたものをあたかも自分達の成果物としてクライアントに納品するのです。
広告代理店というのは、実際に受注した金額と、企業に作らせた制作費の差額で儲ける会社なので、だからいろんなところで「中抜き」の事を指摘されるのです、国会でも問題になりましたよね。
しかも発注先がまた別の会社に発注して、2次請け、3次請けになる事もしょっちゅうあります。
だから何億円もお金が動いていても、実際の制作費は数千万円やそれ以下という事が起こります。
しかし仕事の本質は安く仕入れて高く売る事であり、あくまでこの考えに純粋に則って動いているだけなので、広告代理店が何か悪い事をしているとか、そういう事ではないのです。
利用する側、利用される側
就職先を考える時に、このお金の流れも考慮しておく必要があると私は考えます。
世の中を利用する側と利用される側で区別するとしたら、広告代理店は利用する側、広告代理店に仕事をもらう方は利用される側になるからです。
広告代理店はなるべく安く、しかも質のいいものを作ってくれるというコストパフォーマンスのいい会社を探しています。
つまり広告代理店から仕事をもらえた時というのは「コスパのいい会社」だと思われているという事です。
「コスパのいい会社」だと思われる事自体は悪くありません、むしろ社会的に高い評価をいただいていると自信を持っていいです。
問題なのは「仕事の本質は安く仕入れて高く売る事」を自分の会社の事として考えた場合、まずは高く受注して、次にどう安く仕入れるかを考えるのですが、広告代理店から受注した時点で「高く受注」という事はありえないという事です。
広告代理店を挟まずに、エンドクライアントから直接受注出来た方が「中抜き」がない分、高い金額で受注する事が出来ますから。
こういった事から、求人の紹介で「直請け案件多数」といった事をアピールする事が効果的だと考える企業がいるのです。
どうして広告代理店があるのか
ではどうして、人を利用するだけのような、中抜きをするだけのような、まるで悪のような広告代理店というものが存在するのかというと、それは広告代理店には情報が集まりやすいからです。
「仕事を誰かに依頼したいけど、誰にどう依頼したらいいか分からない」
だからまずは情報をたくさん持っている人に相談するのです。
「まずはこの人に相談すれば、あとはどうにかしてくれるだろう」
と、そういった良好な関係値が広告代理店を挟んだビジネスモデルを築き上げていったのです。
ですから広告代理店そのものが悪というわけではありません、むしろたくさんの情報を駆使して適材適所に人や物を配置して、「どうにかしてくれ」と言われた課題をどうにか解決しようとしてくれているのです。
広告代理店と付き合うメリット
それに広告代理店との取引も悪い事だけではありません。
広告代理店と友好な関係値を築けていれば、その代理店から今後もたくさん仕事を受注出来ます。
そうすれば、自分で仕事を売り込みに行かなくても仕事を受注出来るので、会社の営業経費を節約する事が出来ます。
しかし中には頭の悪い広告代理店の担当者がいたりもします。
企画を考える事すら放棄して、すべてを他人に任せて、自分は何もやらない、考えない、管理するだけ、という人もいます。
一部のそういった阿呆がいるから、「広告代理店は中抜きをするだけの奴らだ」と思われる事があるのもまた事実なのです。
主要取引先にも注目してみましょう
今回議題にあげた事は「仕事の本質は安く仕入れて高く売る」という事を自分の就職する会社に当てはめた場合、広告代理店からは「安く仕事を引き受けてくれる会社だ」と思われている事、それはつまり高い金額で受注出来ないという事です。
仕事をきちんとこなしたら、たくさんのお給料が欲しいですよね。
しかし仕事をどれだけ頑張っても、会社が儲かっていなければ給料が上がる事はありません。
会社を儲けさせるという事は、高い金額で受注して、なるべく安いコストで作り、会社に残る利益を大きくするという事です。
どれだけ高い金額で受注しても経費が膨大にかかってしまっては会社は赤字ですから。
しかし私達は常日頃、どうやって効率よく業務をするかを考えて仕事をしています、だからコストをこれ以上下げるというのは簡単な事ではないのです。
ですからどうやって高く売れるか、高く受注出来るかをまずは優先して考えなければいけません。
そう考えた時に、主要取引先企業が広告代理店だけだと儲かる会社にはなり得ないのです。
よって就職先・転職先を探す時は、その会社の主要取引先にも注目してみましょう。